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能登半島地震現地レポート
3月25日の地震発生から丸2ヶ月。現地を訪れた人々の感想からも、輪島市内は落ち着きを取り戻し、美術館などが再開されたと聞きます。朝市にも観光客がもどりはじめ、全壊家屋は取り壊され更地になり、半壊家屋や蔵なども修復の見積もりが出て、さて、どうしようか、、と考えているところ、といった様子が伺われます。
塩安真一さんから、久しぶりのレポートです。
 “海岸の埋立地には仮家屋の解体ごみが運び込まれています。ここで分別してそれぞれ本来の処分場に運ばれるようです。山の高さは4メートルくらいだと思います。廃材の積まれている敷地の距離は500メートルはあると思います。物凄い量ですよね!”

誰がどれくらいの時間をかけて、このゴミの山を分別するのでしょう。5000万件の登録漏れ年金と同じく、気の遠くなるような作業です。写真に写っている人影は、分別作業の人ではなく、ゴミの中から掘出物を物色している人だそう。

“重機でゴミの撤去作業をしている人の話では、時々、古銭(紙幣や紐でつながれた古い銅貨)が出てきて、骨董屋にもっていくとジュース代になるんだよって話でした。”

蔵を2つも解体した知人も、道に放り出した屋号入りの提灯や漆器を入れておく木箱など、古いものは、みんな近所の人にもっていってもらったとのことでした。
“6月2日は輪島市民祭りの日。河井小学校のグランドでマーチングドリルをする子供たちは、とっても元気でした!見物の人たちも大勢くりだし、嬉しそうにしていたのが印象的です。このあと、幼稚園児から高校生までが市内中心部をパレードしました。今年は漆器関係の見本市とクラシックカーのパレードが中止になりましたが、そのほかは例年とおりに行われました。被害の大きかった門前町でも、例年とおりにパレードが行われました。”
“今日の祭はもともと江戸時代に〔地の粉〕が発見されたことを感謝して行われた神事から、産業振興祈願祭的な祭となり、今は市民祭になったものです。今日は地の粉山で、市長、漆器組合理事長など漆器関係者が参加して、地の粉山神事が例年通り行われました。
木地の上に地の粉を塗る技法は輪島塗独特のものですが、写真は、山から掘り出され、水で練られて、天日で乾燥されているところです。さらに素焼きにしてから細かく砕いて使います。これが地面に絵を描いたりするのにとっても良いのです。子供のころ、よく地の粉山から盗んでは、いたずら描きをしたものです。”


輪島市内は何とか前を向いて歩き始めたようですが、もっとも被害の大きかった門前町はまだまだのようです。
 
“門前を見てきました。あまりのひどさに唖然としました。取り壊しを待っている家屋が山のようにあります。営業を再開している蕎麦屋さんも応急の筋交いを入れてやっているし、プレハブで仮店舗営業の店もあります。傾いた倉庫が二ヶ月前からまったく手つかずのまま放置されたままだったりと、門前の被害は輪島の比ではないです。輪島の町はまだいいほう。途中で涙が出てきました。どうもこの震災は私を泣き虫にしてしまってますね!
総持寺を見学するバスが居ましたが、そのすぐ側で重機が家を取り壊し、取り壊された廃材を積んで埃とともにあわただしく走っていくダンプカー。国道のすぐ側、バスからはいやでも目に入るところに仮設住宅が立ち並び、壊れて屋根が大きく傾いたままの倉庫がそのまま。見える範囲の家々はほとんどが屋根に損傷を受けて修理を待ってブルーシートが掛けられています。
観光客には一刻も早くたくさん来て欲しいとは、ホテルや朝市のおばちゃんや我々も切実に思うけれど、この景色はお客様の心にどう映るのだろう。輪島塗の業界は建物が壊れたり、品物が破損したりしても、全国の方々がほんとに親身に心配し、助けるための展示会などを提案してくださったりしています。でもそうではない地元で商売している方々は、何の援助も無いままに頑張っているんですよね!元気宣言は観光に関係するところには早々に必要だったけれど、来てくれた方がこんな状況をどう感じるのだろう。ちょっと不安になりました。”


<予告>
   

縄文社では、7月12日から一週間、東京都西新宿にあるリビングデザインセンターOZONEで、『ガンバレ!輪島漆器 わじま蔵出し市』を企画しています。壊滅的な被害をうけた塗師屋さん、倉庫が崩れてしまった木地屋さん、そして個人の作り手たち20名ほどが出展します。詳しいお知らせは6月中旬に。

    (2007/6 よこやまゆうこ)

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