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『創業120年記念龍村平蔵  「時」を織る。』

龍村美術織物の名は知らなくても、一度や二度はきっと目にしている布を制作する龍村は、明治27年初代平蔵が織物業を創業したときに始まりました。創業120年記念展覧会は、四章からなっています。一章:芸術表現としての「龍村平蔵」、二章:時代を巡る技法、三章:飛躍する文様、四章:原点回帰と未来へのまなざし。

明治9年大阪生まれの初代平蔵は、織物の道に入ったとはいえ、保守的な京都西陣の壁に頭をぶつけながらも織物組織の研究に没頭し、当時としては画期的であったろう専売特許や実用新案を次々と取得していきました。創業から10年後、ジャカード機を駆使して今までにない紋様を織り出すことに成功。写生を図案にし、下絵を描き糸の色を決め染める、経糸/緯糸の組み合せを考え紋紙に穴をあける、など、途方もない想像力、工夫、根気、集中力を要する作業であることは容易に想像できます。初代の作品に接した芥川龍之介の文章から:「その独特な経緯の組織を文字通り縦横に活かした結果、蒔絵の如き、堆朱の如き、螺鈿の如き、金唐革の如き、七宝の如き、乃至は竹刻金石刻の如き、種々雑多な芸術品の特色を自由自在に捉へている。」とその驚きを記しています。

四代目平蔵の作品の一つで目を引くのは「ぎやまん錦」「切子錦」などの切子シリーズです。色ガラスを彫って模様を作る切子を織りで表現しており、微妙なガラスの輝きを経糸緯糸であたかもガラスが光っているかのごとくに織り出しています。織りに関心がなくても、知識がなくても驚き楽しめる展覧会です。
と き: 平成25年5月24日(金)〜6月4日(火)
会期中無休
ところ: 横浜高島屋ギャラリー(8階)
横浜市西区南幸1-6-31
問い合わせ: 横浜高島屋 045-311-5111
 
(2013/5 よこやまゆうこ)

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