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『桃居』の主人が勧める一品:津田清和の香立て
『桃居』の主人が勧める一品:津田清和の香立て
今回の<お勧めの一品>は、東京都港区西麻布で30年ほども陶磁器のお店を構える『桃居』のご主人・広瀬一郎さんに選んでいただきました。『桃居』は、1987年、身近な道具で美しいもの、使いたいと思うものをそろえたいと、作り手と使い手の仲に立つ店を目指してスタートしました。以来、「美しい仕事を探り出す」ことと、時間をかけて若い作り手を育てるという役目を果たしてこられました。広瀬さんの、三十年一日と言えそうなぶれない仕事ぶりは、目先の変化を追う慌ただしい時代にあって、安心感と清涼感を感じさせてくれます。無駄な飾りはないけれど冷たい感じのしない店内は、海外からの目利きのお客様がふえているそうです。

津田さんは大学時代にガラスと出会いました。たまたま旅行に行った北海道の小樽で、職人さんが鉄の棒の先についたガラスの塊を、次から次へ器へと変えていく作業を見て、神々しい儀式のように感じたそうです。
そこからガラスに憑かれた人生が始まります。2年間のサラリーマン生活で学資をため、ガラスの専門校に学びます。その後もさまざまなガラススタジオや工房に勤務しながら技術的な研鑽を積み、やっと郷里の近く奈良県葛城市に拠点を構えました。
繊細な感性と粘り強い探究心が生み出す彼の器は、日常使いのガラス器でありながら、いつもの暮らしをもう一段美しく、晴れやかなものにしてくれます。

この香立ても、シンプルでクリーンな彼の作風を代表する一作です。蒸し暑い夏の夜、ベッドサイドに爽やかな香を焚いてはいかがでしょう。
北宋の詩人、黄庭堅は、香には十徳があると記しています。心身を浄化し、穢れを取り除き、孤独感を拭い去って、感覚を鬼神のように研ぎ澄ましてくれるそうです。
うーん。あまりに感覚が研ぎ澄まされると、安らかな眠りに落ちにくくなりそうですが、爽やかな香りはベッドサイドを愉しく彩ってくれることでしょう。
コンパクトなサイズなので、旅先に携帯する方も多いと聞きました。

桃居 広瀬一郎
香立て
寸法: ø3cm、H9cm
価格: 7560円(税込み)
お問い合わせ: 03-3797-4494
http://www.toukyo.com

(2016/6 よこやまゆうこ)

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