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二人展 in Elyを終えて


Side Story 047でご紹介している沖縄の染織家・上原美智子さんから、投稿をいただきました。
上原さんは、去る5月、英国のEly(エリー)という町で、Side Story 020でご紹介した木工芸家Guy Martin(ガイ・マーティン)と二人展を開かれました。
蜻蛉の羽根を意味する沖縄の古語から名づけられた極薄の布「あげずば織」が、繊細な感性で作られたイギリスの木工芸と、どのようなハーモニーを奏でたのでしょうか。ご本人の声をお届けします。

(2003/7よこやまゆうこ)


 

二人展 in Elyを終えて

上原美智子


5月のElyはまだ肌寒く、南国沖縄だとさしずめ冬の気温。それでも4度目の訪英となった私の心はポカポカ。今回、英国の家具作家ガイ・マーティンさんに誘われての二人展。今回はいつもの頼みの綱の横山女史が一緒でないのが一抹の不安。英語ができない、うまくいくのだろうか、、、。ヒースロー空港で、ガイさんと奥様のアニアさんのお顔を見つけたときは、ほっとしたものです。
かなり年季の入ったフォルクスワーゲンワゴンのトランクには、今回出展するガイさんの家具がぎっしり詰め込まれていました。車は、一路ギャラリーオーナーのロナルドさん宅へ。私の今回のホームステイ先です。ケンブリッジにあるそのお宅は、ギャラリーオーナーらしく、焼き物や絵や、アンティークの置物などが、さりげなく飾られていました。そして、私が一番気に入ったのが、庭とキッチンでした。小さいながらもやっぱりイングリッシュ・ガーデンはいい!
ロナルドさんは、若かりし頃、バーナード・リーチをサポートしていたという人物のアシスタントを長い間やってらしたとのこと、さすがに日常品が全て手作りの品々で、思わず持って帰りたくなるようなお皿が何点もありました。

さて、いよいよ翌日は展示の準備です。ガイさんが用意して下さっていたヤナギの枝を使うことにしました。ここまではいつも通りの方法です。ところが、ロナルドさんは、いきなり壁にドリルで穴を開けて、そこにヤナギの枝を差し込んでしまったのです。ビックリしました。日本のギャラリーでは考えられないことです。イギリスの建物は、築150〜200年は普通で、それを自分たちで修理をし、工夫してやってきたイギリス人ならではの考え方。さすが、、、と唸ってしまいました。思い通りに家に手を入れ、平気で直してしまうのですから。



いよいよオープニング当日。私は少々不安でした。午後2時からなのですが、ポツ、、ポツ、、と人が入ってくるくらいで、「あぁ〜、やっぱり異国での展示会はきびしいのかも、、、」。
ところが、ガイさんの挨拶が始まるころには、何と、ギャラリーには人がぎっしり。もうびっくりです。とうとうあまりの人の多さに、私は酸欠を起こしたのか気分が悪くなり、外の風に15分ほど当たって、やっと元気を取り直したほどでした。
果して、皆さんの反応は予想以上のものでした。ガイさんの家具とのコラボレーションが功を奏したのでしょう。いろいろな質問を受けました。おほめの言葉を頂くのは悪い気はしませんね。とにもかくにも、私の仕事をたくさんのイギリスの方々に観ていただけたことは、大きな喜びです。
今回、強く感じたことがあります。それは、一つの仕事が少しずつ広がっていく背後には、ただもの作りをする人がいるだけでなく、それをしっかりとプロデュースして下さる方々がいるのだ、ということです。このことを肝に命じて、益々気を引き締め、少しでもよい仕事をせねばと思います。結局、もの作りはいい仕事をすることによってしか、お返しができないのだと思っています。 イギリスは何度訪ねても、何かしらの発見があり、少しずつ深く心にしみる国です。お料理はまあまあとしても、暮らしぶりの堅実さには、学ぶべきことが多いように思いますし、何より、イングリッシュ・ガーデンが素晴らしい! この国は、人が一生をどのように使うか、過すかということを考えさせてくれる国のようです。イギリス、好きです。*

   


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