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『峠のギャラリー 歩ら里(ぶらり)』

『峠のギャラリー 歩ら里』は、山梨県北杜市長坂町の緑あふれる里山にあります。丸い茅葺き屋根が目印です。“歩”にちょんちょんを付けて、“ふらり”ではなく“ぶらり”と読ませるなんて、なんとウイットにとんだ命名でしょう。

かれこれ20年近く前、店主尾白直子さんは藍染作家として本格的に活動していましたが、ひょんなことから、当時としてはまだ珍しかった手仕事の品々を展示販売するギャラリーを運営することになりました。故木村二郎さんに藍染め工房とグラフィック・デザイナーの夫君の仕事場になるようなアトリエを、環境の良いところに建てたいと相談したところ、二郎さんの溢れるアイディアに乗って、いつの間にかギャラリー、ショップ、カフェ、セミナーやコンサートまでできるスペースをもつ『歩ら里』が出現したのです。ギャラリーでは布、木、土、鉄、石、紙、硝子などの作家たちの個展、ショップでは尾白さんのセンスで選び抜かれた漆器や陶器、韓国のポジャギや家具、タイ、インド、アフリカなどのエスニックな布や小物が、木組みされた高い天井の下、二郎さんの家具のうえに並べられています。
歩ら里での日々で、尾白さんが一番嬉しいと思うことは二つ。これっ!と選んだ品が、値段にかかわらずお客さまに選ばれて求められてゆくこと。同じ見る目を持った方にもらわれ使われてゆくのを想像するのが楽しい、と。もう一つは、作家たちとの交流から長く続くよいご縁を得ること。17年でお客さまも育ち、年を重ね、作り手使い手ともに世代交代を迎える時期がきていることも感じています。常に新しいことに挑戦してこそ老舗、と言われるように、尾白さんの仕事はまだまだ続きそうです。

7月の深い緑に囲まれ、ベランダの白いパラソルの下、肩近くによってくる国蝶オオムラサキと共に谷から吹き上げる涼風に吹かれながらルイボス茶を頂く上質なひと時は、こころもからだも芯からデトックスしてゆくようです。新宿から「特急あずさ」でたった二時間のところに、こんなに伸びやかな自然と、手仕事の親しさを満喫させてくれる場が長年存在してきたなんて、まるで奇跡のようです。
(歩ら里のサイトhttp://www.burari.info/
(2013/7 よこやまゆうこ)

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