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番外編「虫との遭遇あれやこれや」
    自然に親しんで暮らすということは、諸々の虫とともに暮らすということでもあります。
今回は、遭遇した虫に関することを書きたいと思いますので、虫嫌いの方はスルーしてくださいますように。

虫、その一。
    山の中にある機織工房の庭でひとしきり草むしりをし、車を駆けって帰宅。バッグを置いた瞬間、右手首に10cmほどもある立派なムカデ!!!! 振り払うと、どこかへ消えてしまいました。ということは、書棚の裏や、冷蔵庫の奥などに潜み、夜中寝室に入ってくる可能性もなくはない。想像するともう眠れない。かくなる上は、大型家具を動かしてでも見つけるまで探すしかない。見つけた時の用意のために掃除機を取りにゆき戻ってくる、とその時、耳の後ろあたりでモゾッ!! 瞬間に払い落すと、そこに彼or彼女が、、、。落ち着いて掃除機で吸い込むことができたのでした。そして、掃除機の頭にビニール袋をかぶせ、紐で縛って、万が一にもゴミ袋からホースを伝って出てこないように。しばらくは動悸激しくボーゼン。工房から自宅まで、いつもは20分足らずのところを、夏場の渋滞で遠回りをし40分ほどもかかったのです。ということは、その間、ムカデは体のどこかに取り付き、40分間のドライブを共にしたということ。もし、運転中にお出ましになっていたら、、、との想像は恐ろし過ぎて考えたくもありません。

虫、その二
    週末養蜂家を目指してニホンミツバチを飼い始めたことはSideStory#392にあります。その可愛いニホンミツバチを狙うオオスズメバチやキイロスズメバチが大挙して押し寄せているのです。
    ある日、ミツバチの出入りを眺めていると、一匹のキイロスズメバチがやってきて、巣箱の周りを執拗に飛んで去ろうとしない。徐々に巣箱のプラットフォームにはミツバチの数が増え、集蜜に飛び立つでもなくウロウロ。次の瞬間、キイロが巣門に近づいたかと思うと、5、6匹のミツバチがワッとキイロに取り付き団子状態。地面に蜂球が落ちてものの1、2分、パッと離れた後には青息吐息のキイロが。キイロの背には、殉職した1匹のミツバチ。これは、ミツバチが熱を発する熱殺蜂球という行為で、まるで活劇を見るようでドキドキしました。

    この経験の後、悪い蜂の捕獲に乗り出しました。甘い液体をポットに入れたトラップを近くの桜の木に掛けておいたところ、仰天の数のオオスズメバチとキイロスズメバチが入りました。最初の写真はたった一昼夜での捕獲です。それ以降も、同数かそれ以上の数が続いています。
虫、その三
    庭に2、3年前から発生していた小さな蜂が、Φ4mmほどの穴を作り、地面すれすれを飛び回る。害はないので放置しておいたら、今年はその数が爆発的に激増、歩くのも気色悪いほどの蜂。めったに刺さないが刺されると痛い、との情報もあり退治することに。まずは、ブルーシートを一面に敷き詰め、巣に入れない作戦。穴蜂はシートの上をウロウロ飛び回ること1週間。効果は薄く、次は松明作戦。竹にボロ布を巻きつけ灯油をかけ、地面にうようよ飛ぶ蜂を焼き殺す。とはいえ、敵は翅を持っているので飛び去り戻ってくる。次なる作戦は唐辛子粉を水に溶いて散布。これも効果なし。人間の方がくしゃみ連発で士気喪失。木酢液が良いというので希釈して散布。まあ、どれも決定的な駆除にはつながらず。
    そうしたある日、ズボンのポケットでピーピーと聞きなれない音。ケータイが音を発したのか、と思ったけれどどうも変。え!!??虫??と、慌ててズボンを脱ぐと、小さな穴蜂が元気に飛び出してゆきました。庭から部屋に入って30分、その間、彼は私の右足のズボンの中にいて、刺すこともなく元気で飛び出していったのでした。試行錯誤して1ヶ月ほど経ったころ、穴蜂の数は減り、数匹を見る程度に。彼らの春の繁殖期が終わったのでしょう。
虫、その四
    標高1500mの山荘では、7月に入ると何処からともなくカマドウマなる鳴かないコウロギのような虫が出回ります。コウロギと違うところは、筋肉質?の長い足を持っていて、跳躍力がすこぶる良いこと。昨年夏、草木も眠る丑三つ時、熟睡するおでこに、何か、、、確かにこれは昆虫の足!というものがジャン!と飛び降りた感触に、ガバッと起きる。点灯すると立派なカマドウマが布団の上に。なぜにして、夜中に眠っている人間の顔めがけてジャンプするのか、その意味がわかりません。その感触と気色の悪さに、今年は『冷凍ジェット-85度c』なるスプレーを持ち歩き、姿を見つけたら3プッシュで凍死していただくことに。それなのに、夕食時、また、頭の上に着地。もう寄ってこないで~~!! 多様な昆虫は自然の豊かさ、と頭では分かっていても、気色悪かったり、ペットのニホンミツバチに危害を加えられたりすると、つい、殺生をしてしまうのです。
(2020/7 よこやまゆうこ)

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