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『多様なキャリアを生かした漆器作りの後藤信治さんを訪ねて』
 

5月に開かれる『湘南の漆びと・5人展』の最後のお一人としてご紹介するのは後藤信治さん。お住まいと工房のある本鵠沼駅近くの築6〜70年の日本家屋は、興味深いものに溢れています。懐かしいレコードプレーヤーと沢山のレコード盤、アフリカの儀式で使われるという巨大な瓢箪からできた弦楽器、板と漆で自ら作ったサーフボード、アジアの何処かの国の小さな鋳造の仏像たち。エスニックな布。名刺に記された<漆工・木工・鎌倉彫>の文字は、そうした多様なものを愛する後藤さんのグラフィックデザイン、編集、家具職人、そして鎌倉彫というキャリアの変遷をも物語っているようです。



鎌倉彫作家に弟子入りしたのは37歳、既に6年生の息子がいました。安定した家具製作をやめて、収入激減も覚悟の転職は、薬膳料理店を営む奥様の理解あってのこと。それから8年を経て、師匠の鎌倉彫の塗り仕事を請け負う一方、自作の日常つかいの漆器作りに邁進する日々です。
後藤さんの漆器の特徴は、麻炭を使うことです。麻炭とは、沖縄県宮古島でできる麻の幹を炭にした粒子の細かい粉。漆に混ぜて塗ります。椀では、生漆を5回、中塗り2回、その上に上塗りをして仕上げます。麻炭を加えた上塗り漆は吸着力が5倍も良いそう。粉からは高波動が出ており、摂取するとデトックス効果があるなど、漆器の世界では初耳のことを伺いました。表面のマットな仕上がりは見た目もやさしく、しっとりとした手触りで、丈夫なうえに長く使っているとよい味がでてくるそうです。
湘南の海で波乗りを楽しみながら、心の赴くままに漆と戯れ、いよいよ力を発揮する時期に入ってこられた後藤さんです。

*展覧会のご案内
『湘南の漆びと・5人展』
と き: 2016年5月14日(土)〜25日(水)月曜休
11:00〜18:00 最終日16時終了
ところ: 工藝サロン梓
〒251-0028 藤沢市本鵠沼5-10-3
0466-25-7770
http://www.azusa-kougei.com


<出展者の紹介>
伏見眞樹:Feature#003
佐藤智洋:SideStory#325
堀田洋二:SideStory#326
矢沢光広:SideStory#329
後藤信治:SideStory#330
    (2016/4 よこやまゆうこ)

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